私共、あいち事務所は、耳より発信に伴い約20年余り、賀状をこの情報誌にて代替してまいりましたところ、今般、事務所の主力 直樹、秀樹両名実父が他界いたしましたので、本来の”喪中案内”を、今回の冬号にて、あてさせていただきます。

● 数えで90才の大往生でした。これ以上、欲張りな事を言っては、バチがあたるかとは存じています。ただ、孫娘(直樹の長女27才)の挙式を3週間前にして、祝い事に重ならないよう、家族に配慮した、少し早目の旅立ちではなかったのかなと、『忌中(きちゅう)』期間に本文を記しつつ、今はただ、成仏できる事を祈っています。
 とても生真面目で、無口な優しい父でした。60才迄は、まじめに、丁寧に、銘木仕事を、黙々と務めていました。銘木とは、床框、床の間、床柱、欄間等々…日本間の建築材を加工し、仕上げて納品する業で、紫檀、黒檀、鉄刀木(したん、こくたん、たがやさん)などの堅い木材を多く取り扱っていました。
子供心に、カンナやノコを黙々と磨ぎ、研ぎ、堅い材質にたち向かって汗を流していた父の背中を、「要領よくない親だなぁ」などと、その商売っ気の無さに、偉そうな意見をしたりした事もありました。・・・ごめんなさい・・・
 60才からの30年間は、孫の成長を見守りながら、夫婦仲良く、 旅行もいっぱいしていました。仕合わせ・・・・だったろうと思います。

 今回、自らの父親の死を前にして、今更ながら、みな様の相続の仕事をお手伝いさせていただいてきた、又今後もさせていただく際に、ご遺族に対する気持ちに、尊大な、上から目線等がなかったかどうか、反省をしたいと思っています。
 堅い仕事、丁寧な仕事、今一度、胸に手を当てて考えてまいります。


● 過日、中区役所そして中村区役所に於いて、相続セミナーを開催いたしましたところ、中区(8月17日)で430名余、中村区(11月2日)では120名余のご来場をいただきました。  設営には、あいち事務所のスタッフが交代であたりますが、専門のイベント会社ではありません。何かと不行き届きな点もありますが、ご容赦ください。
 中村会場においては、上述、亡き父の話を自らの実話として紹介させていただきながら、遺族としての感情と、日頃より相続事案に携わられている金融機関、保険会社、市(区)役所、税務署、法務局のそれぞれの窓口の遺産処理が為の事務処理対応というものは、随分と距離のある事を、再度、これからもコツコツと発信すべきだなぁと、思い直しました。
 そんな中でも、○○葬祭の担当の方が、言葉遣いや、お辞儀ひとつみても、とても丁寧で清々しかった事を、実話としてお伝えさせていただきます。
八事焼場(名古屋の火葬場)の待合の1時間半も、マッサージチェアも完備されたリラックスルームまで全て無料利用ができて、至れり尽くせりですねぇ。
 葬儀に係るサービスと料金のトラブルの話もよく伺います。
 今回の伊藤家としては、「大変丁重なサービスをありがとうございます」と申し上げておきます。

 法律でガチガチな権利闘争をしたり、無理やりの節税テクニックをひれかざすお手伝い事務所にはなってはいけないと、再認識した次第です。
 それが、亡き父から申し送られた私共の使命だと思い知りました。
・・・・突然ですが、故人同様に、これからも父を識るみな様からのご厚情と、ご指導ご鞭撻を、よろしくお願い申し上げます。

 私(直樹)の父が、市内の老人施設にて、10月20日の朝3時に息を取りました。
連絡を受けて、急いで妻・娘と車に乗車。 自宅から施設までは5分もかかりません。江川線という西区の主要幹線道路沿いの目的の施設、駐車場を見過ごし、行き過ぎてしまいました。 ・・・・Uターン・・・・
 脈が早くて、ハンドルを握る掌の平が汗ばみます。車を停めて深夜の室内に入る・・・・蛍光灯がまぶしい・・・・。施設2階のエレベーターの扉が開き、スタッフと入れ違ってベッド脇へと近寄りました。
 満89歳と17日。32000日以上の歳月の果てに、父は亡くなりました。

 この現実を前に、しばらくは涙が出ません。夢の中にいるようでした。
 葬儀社から4時前に担当者が入室してきました。
「自宅に一度、お身体は戻されますか?そのまま○昇殿へお連れになりますか?」葬儀の手続きが始まっていきます。
 中区丸の内の父母の家へとワゴン車が向かいます。遺体となった父を後部に載せて、車は江川線を右折し、まだ暗い市道を走ります。
「Uターンは、しないんですよ。」移送の担当運転手がポツリと語りました。
 白・・・・いや、むしろ銀色のような袋に入った父が、後部に寝ています。
 8階建自宅マンションの最上階まで9人乗りエレベーター室内は、広くはありません。葬儀担当者が到着すると、運転手さんと自分の3人で、袋に 入った父を柔らかく斜めにつって、エレベーターは昇っていきました。
 葬儀の手順がゆっくりと始まっていきました・・・・。

  日頃、相続の対策、相続税申告や相続財産の名義変更手続や遺言執行を専門に、みな様のお手伝いをしていますが、自分の父の相続…お通夜、告別式、八事の火葬場、初七日…は、あっという間の2日間の内に、どう動き、どう話をし、どなたと挨拶をさせていただいたのか。
白黒テレビ画像のように、ボヤ~っと、無味な気配のままに、終わってしまいました。

非嫡出子訴訟の違憲決定をうけて

結婚していない男女間の子(婚外子)を巡る最高裁決定を、みなさん、どう思われますか。平成25年9月4日の平等相続への変更は、一般的なご家庭にどんな影響を及ぼすでしょう…。

嫡出子の相続分 ――― 婚外子は2分の1 ← 違憲!

日本人の長年の英知を否定し、家制度の破壊に繋がるのではないか、との意見もあります。
(社会秩序上、日本の婚外子の割合は少ない。2008年で2%です。 スウェーデン54%を筆頭に、フランス、英国も50%前後で、いわゆるシングルマザーが普通に生活をしています。)

婚姻という制度には、社会的なメリットが多くあります。だからこそ、法律上も優遇されてきました。わざわざ、国がこの制度を壊そうとする必要は、あるのでしょうか?
いわゆる不倫にて生まれた婚外子・自身には罪はありません。婚外子を世に送り出した男性と女性に罪はあると思います。
事実婚という形態も、今後は多くなることでしょう。家族、正式な婚姻を、国が解体しようとする。平等をどこまでも賛美する判決に、私は異議を述べさせていただきます。
一夫一妻制や法律婚は、この先、スウェーデン、フランスのように崩壊していってしまうのでしょうか。
『例えば、個人事業主の死亡に伴い、一家の主たる財産の形成に全く寄与していない者が、同等な相続権を持って登場してきた場合、事業継続は可能なのでしょうか?』
→ 義務を果たさずして権利だけ主張する、戦後民主主義の欠点と思いきや、最高裁の判事14人全員一致で違憲だから、公平に相続しなさいって
・・・・本当にこれでいいのでしょうか?

● 平成25年9月5日以後を分かり易く言うと ~ウーン。
 なかなかナーバスな話ですから、実例がみつかりません。
 平成23年8月に、アパレルメーカーオーナーと、事実婚にて法的な遺産相続権が全くなかった萬田久子さん。
 彼女の息子こそ、非嫡出子の立場でした。実際はどうなのでしょう。
 少々申し訳ありませんが、週刊誌が如く、内容をのぞかせていただきましょう。私見ながら、このようなケースで、認知、養子縁組、そして遺言を活用されれば、婚外子をわざわざ平等とする判決は要らないと思うのですが、佐々木氏はどうも、3才児に配慮した遺言を用いたようです。


 実際には、東京都目黒区の、25年間にわたって久子さんが内縁関係を続けていた自宅の相続持分は、上記の通りになりました。  平成24年6月に5人の子供達に相続登記され、3才の認知幼児の 持分がいちばん多かったようです。 遺言活用でした。  平成23年11月の百か日法要の納骨の際、萬田久子さんの建立した 墓石には、今も白いカサブランカの花がたくさん飾られているといいます。


不動産の清算、今でしょ!?

東京オリンピック開催で地価上昇・・・・するかどうかは別として、みな様が抱える借地借家清算問題は、腕と度胸と愛嬌で、出来る限り早めに解決しておきましょう。
私共あいち事務所では、この30年間の業務展開の中に、借地借家清算補助という窓口を設けてまいりました。
本来の契約締結については、個人・法人間、又は宅地建物取引業業務となるのですが、何故かこれが、解約時には本人同士、又は弁護士を介入させないと処理は出来ないことに、巷ではなっています。

 マンガ『かばちたれ』という話の中で、行政書士が立退き文書をもって家賃滞納者のお宅のドアをこじ開けたりしていましたが、これは非弁活動として、弁護士法第72条で禁止されています。
私 伊藤直樹は宅建業者として、又は司法書士として、出来る限りの“非弁”ぎりぎり交渉を、お客様になりかわり代行してまいりましたが、不動産にまつわる借り手、貸し手の思いこみと思い入れの難しさは、ある意味、日本ならでは甘えに起因するのではないかと思います。
日本人は契約をしておいても結局、慣習に戻ってしまいます。立ち退き料を一切請求しないという市販の賃貸借契約書で入居した借家人は、貸し主側の建物老朽化建て替え申し入れに対して、誰も黙って出て行こうとしません。
「地震がおきたら大変な事になりますよ。安全を考えて、引越しされませんか?」という声かけに対し、全面的な転居費用の補償と、それなりの慰謝料なくして、誰も転居しようとしません。
 この居座りをOKとしたのは、バブル時に都市部で甘やかした地上げ立退き慣習てあり、戦後民主主義という、日本独特の甘えの構造ではないかと、私は密かに確信しています。
 甘え得。最後迄愚図愚図していれば、目の前にお金が多く積まれる。そんなおねだりを一度許したばっかりに、借地法、借家法改め、平成4年8月施行の(新)借地借家法は、全く頼りにならず、日本の不動産の世界は、ゴネ得がまかり通り、法律+裁判所に頼る場合は、手順が長引き、結果は費用がかかり過ぎ、和解金を余程積まない限りは、入居者、借手側の居座りを許すばかり。

 平成3年12月のバブル崩壊から早22年を経過し、ややアベノミクスで都市部地価上昇気配の今、もしも、みな様の保有不動産が借地借家重畳状態ならば、片づけましょうよ。なにしろ、ゴネ得に対してはじっくりと時間をかけつつ、思い切って清算する時はズバッと断捨離(だんしゃり)にて捨て去りましょう。

      ・・・・あいち事務所が、お手伝いいたします。・・・・

★★ 次回以降 相続情報セミナー 開催のご案内 ★★

平成26年1月18日(土)中川区役所 2階講堂
12時半開場 14時開演   入場無料・予約不要・入退場自由
お席は500席。お待ちしております。
■ 相続に関しての講演(14時~16時)
■ 無料個別相談(13時より開催)先着順にて受付致しております。
■ 駐車場はございません。公共機関をご利用ください。

名古屋市内、各区役所を会場としてお借りする場合、公共施設ですから、当然、利益目的でない行事である事を誓約します。壺や布団も売りませんし、書籍販売もございません。私ども『あいち』が、地元でこうして士業サービスで禄を喰むことができている報恩、還元のつもりにて、精一杯、相続情報をお伝えし、よろず相談コーナーで皆様の悩み解決の方向指示機となれるよう、努めるのみです。 どうぞ、お気軽にお立ち寄りください。
次回の相続セミナーは
平成26年4月(会場未定)を予定しています!

教育資金一括贈与 ~6ポケット

(H25.4.1~H27.12.30(水)まで)

 非課税拠出額は上限金1500万円。
      普通の私立高校~大学4年間であれば、金500万円程度でも、必ず支払うことが予想されますから、孫名義の一括贈与  は、とてもリーズナブルな生前贈与です。
 ところが、思わぬ衝突が生じています。
   父方の祖父母と母方の祖父母が、思い思いでかわいい孫に、将来の教育資金を生前の内に渡してやろうと、贈与契約書を作成して、とあるA金融機関に出向いたところ、既に母方の祖父が孫名義で金1500万円分の管理契約口座をB銀行にて開設済みだったとは・・・!
 非課税口座は、受贈者1人に1金融機関1営業店に1カ所しか作れません。他の金融機関・他の店舗に2つ目をつくることはできないのです。
 知らずに開設した2つ目の口座分は、翌年、贈与税がかかってしまいます。
 つまり、両祖父母4名の内で、誰が一番、相続税の重課となる資産内容なのか、6ポケットがオープンに税額試算をして情報公開し合わないと、両家で仲たがいが出来てしまうのです。
 また、この教育資金援助は、これから小学校、中学校へと学費負担がのしかかってくる30~40才台の父母世代が喜びます。
 しかし、長男夫婦には子供2人、二男夫婦には子供がいないとなると、今度は、将来の相続・遺産分割の時点で不公平感がでてきます。
黙っておくのも一案ですが、特別受益として、分割争いの種になることも覚悟しておかなければならないでしょう。
 更には、余裕があまり無い老父母が老後の貴重な生活資金を拠出してしまい、後から、自分達の老人ホーム用に取り崩すことはできませんから、あまり頑張って多額の贈与というのも考えものです。
 まずは6ポケット会議を行った後に、信託銀行(いや、地銀等でも商品は用意されています)へ出向きましょう。
 本口座の終了=解約時は3通りです。
① 預金者(お孫様等)が満30才になられた日
② 預金者(お孫様等)が亡くなられた日
③ 残高が0円となり、且つ、預金者(お孫様等)と
  金融機関との間で特約終了の合意をした日

(以上 文責;伊藤直樹)

火災保険、地震保険の見直し

最近、私どもの不動産賃貸業のお客様で、何件か、火災保険、地震保険の見直しをさせていただいております。  「保険」全般に言えることですが、加入する時はそれなりに理解していても、1~2年もすると内容はすっかり忘れていたりするものです。その契約が10年以上も前なら尚更ですよね。 ほとんど検討もせずに継続しているケースも多く、特に築15年20年の賃貸建物については、資金繰りもあり、経費全てを見直す中で、火災保険・地震保険の見直しも大事な資金繰り対策です。今回見直しをしていた中で 気づいた点を抜粋してご紹介いたします。

① テナントの飲食店が退去した場合
⇒ 「飲食店がある賃貸ビル」と「飲食店が無い賃貸ビル」ですと、前者の火災保険は格段に高くなります。当然火災の可能性が大ですから当然ですよね。そこで気を付けたいのは、昔飲食店が入ってはいたけど、今は別の店舗が入っている場合。高いままの保険料を払ってないかどうか確認して下さい。もしかしたら、さかのぼって保険料が戻ることもあるかもしれません。

② 水災の保険が必要かどうか?
⇒ 保険金が出る災害の中に「水災」という項目があり、こちらについては、保険会社によって、組合せで必ずセットになっている保険会社と、外して契約ができる保険会社があります。基本的に、損保会社によって大きく差は出ないにしても、いろいろな保険会社を比較した上で内容を確認することが大事だと思います。

③ 地震保険の払われ方
 ⇒ 地震保険は、新潟の大震災後、当時、大蔵大臣だった田中角栄氏の「地震保険が必要だ!」の一言が発端となり、誕生したものです。
    この地震保険については、農協さんの建物更生共済を確認した際に知ったのですが、一般的な地震保険ですと、人の住んでいない建物にはかけることができないものが多いのですが、上記の農協さんの保険では、居住用でない倉庫についても結果として地震保険がかけられることになるようです。但し、保険金の支払われ方が他の保険より厳しくなっているとのことでした。
         その他、「一部保険」とよばれているようですが、損害額の全額ではなく、一定の割合で、部分的にしか保険金が支払われない契約もあるようですね。

 現在、加入の火災保険・地震保険が、どんな災害に対してかけられているのか?実際にその損失額に対していくら支払われるのか?その内容に対して保険料は適正かどうか?を確認することも、一種の防災対策かな~と感じました。

今さら聞けない?!相続税のイロハ

最近ご相談いただいた中から、基本的ではありますが、間違いやすかったり、あまり知られていないと思われる案件をご紹介いたします。

Q1 相続人が妻だけで、子・親・兄弟も、代襲相続人も誰も(!)いません。例えば3億円の遺産を相続した場合、相続税はかかりますか?
Ans.1 かかりません。平成27年改正後の基礎控除3,600万円及び1億6千万円は超えるのですが、配偶者控除は法定相続分(この場合は100%)が上限ですので、結果全ての財産に配偶者控除の軽減が適用されて、相続税はかかりません。但し、配偶者控除を受けるために相続税の申告は必要です。

Q2 相続人である長男の会社に貸している土地は、同族会社の小規模宅地等の評価減(400㎡80%)はできますか?
Ans.2 下記条件が整えばできます。平成27年からは、ご自宅の330㎡と合わせて730㎡80%まで適用ができますので、下記条件をクリアしていないようでしたら、整えていただくと大きな減税となります。
 ≪条件≫(1)会社の事業が不動産賃貸業以外(2)株主が親族で50%超(3)相続した者が申告期限時に役員(4)会社が相当の家賃、地代を払っている。【ここがクリアの絶対条件!】(5)申告期限まで所有・事業継続

Q3 相続人でない孫が死亡保険金を受け取った場合、相続税はかかりますか?相続発生前3年以内に贈与していたのですが、相続財産となりますか?
Ans.3 相続税の対象になります。相続人でないため非課税(500万円×相続人の数)もございません。さらに3年内贈与は相続財産に加算されて相続税の対象となります。

Q4 別居の長男は、父の住まい(実家)の土地の小規模宅地の評価減はできないのですか?
Ans.4 父の相続発生時に配偶者(母)及び同居親族がおらず、ご長男さん夫妻が相続発生前3年以内に日本国内の持ち家に住んでおらず、相続税申告期限まで継続保有していれば、たとえ全く住む予定がなくても、ご自宅の小規模宅地の評価減(H27年より330㎡80%)の適用がうけられます。俗称『家なき子』といったりします。

(以上 文責;税理士 一杉顕法)

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