新年早々、私伊藤直樹が、少々病院に、一定期間お世話になり、父の喪中明け早々に、自らの余生を考える・・・・

までのオーバーな病状ではなかったのですが、独り病床で幾度も夜を迎える事となって、相続情報の原稿書きもなかなか出来る状態にない、「21時半消灯」ルールに悩まされておりました。
 日頃から、お客様が入院中のお部屋や介護施設に伺うことが、仕事柄、年間、相当の件数、あるのですが、自分が24時間、同じ病床に横たわって、インフルエンザ、ノロウイルスの大流行中の為、病院内を歩き回ってもいけないとたしなめられ、点滴のつながった左腕を、唯、みつめるのみ――― さぁ、平成26年、相続新税制まであと10ヶ月余り。その前に、情報発信、頑張りましょう!!


1 象徴的な時限立法。平成3年末以来22年経過して、ついに バブルの申し子、個人のゴルフ会員権の暴落処理が終了します。
 平成26年4月1日以降、個人のゴルフ会員権売却損の譲渡損失 通算の見直しが実施されます。
このTOPICSこそ、バブルの後始末のラストです。
私も私の兄も、しっかりはまったゴルフ会員権購入。
あれから既に20年~25年が経過し、ほぼ紙切れとなった会員権は、本年3月31日迄に売却して、“損出し”をすると、他の給与・不動産事業所得の経費と通算ができますが、4月1日以降は、通算不可となるのです。
ケースバイケースの案件です。
ゴルフを、父親の相続にて、会員権も譲り受け、ずっと楽しまれる方は別として、例えば、もうつぶれてしまったゴルフ場は、完全に紙キレですから、×です。 更に、一般の方は、当時の値上がり期待ゴルフ会員権・銀行押し売りドラマをご存じないと思います。

 さぁ、平成26年3月31日迄に売却するため、友人、同族会社へと名義移転する方策を考えてください

  私は、会員権販売業者ではなく、ゴルフ場へ問い合わせ、直ちに金2300万円の当時特別縁故会員を、金50万円にてゴルフ場の関係法人に買ってもらい、金2000万円相当の損出しに間に合わせることとしました。
 友人、同族会社では、価格の妥当性やら、実際の名義変更が終了していないとして否認されるし、時間がそもそも足りません。(第一、この情報誌を読まれる頃は、間に合わない可能性大・・・・すいません <m( _ _ )m>)
⇒ みなさんにご理解いただきたいのは、ゴルフ会員権やリゾート会員権の損失を、これまで生活にギリギリ必要な財産とカウントしてきたのですが、平成26年4月1日以降は、別荘や古美術品、貴金属の売却損の所得税控除否認と同じ取り扱いとするという税務処理の変更があったということです。
 リゾート○○ストの温泉と蓼科の別荘と、どちらも土地・建物の権利証はあるのですが、どうやら財務省の方々は、もうゴルフ場へ接待で、誰も連れていってもらえなくなったから、腹いせ・・・・かな?
かくして、22年たったバブルの申し子の後処理は廃止しても、もう銀行にだまされたと言ってくる人も無くなっただろうとみられたのですね。 ・・・・日本バブルのラストでした。

2 2世帯住宅への適用判断は、こんな事例で・・・・
・・・平成22年、かつての民主党が手をつけた相続税の小規模宅地等課税 の特例は、平成27年1月1日から240㎡(72.6坪)から330㎡ (99.825坪)へと対象拡大されるのですが、平成26年1月1日以降 の相続・遺贈による取り扱いの緩和が、国税庁から公表されました。
相続税法上、減税となる特例として最も有名なのが、小規模宅地です。  固定資産税の取り扱い上、小規模住宅用地(1戸あたり200㎡)なんてのもありまして、間違って覚えている方もおみえですね。

相続開始直前に被相続人の居住用宅地等が一定の要件を満たしていた場合に限り、「特定居住用宅地」として、一定の地積まで(現行240㎡)評価額の80%が減額されると いう特例です。

今回の公表事例は、区分所有登記がされていたかどうかです。

【イ】H22.4.1~H25.12.31

(民主党かけこみ要件厳格化)
左の完全分離型2世帯住宅は対象外。
右の、上下行き来OKは対象セーフ。



【ロ】 H26.1.1~
完全分離型でも、
ひとつ屋根の下ならOK。

[解説] Aさんが亡くなった時、このA・BとCは、生計は別にする2世帯  住宅をA建物単独所有していれば、底地をBとCで1/2共有として相続しても(つまり、C単有でなくても)、生計を別にしていたCの部分も被相続人Aの居住の用に供されていた宅地等に該当しているとしました。
そして、仮に相続前に2世帯住宅に居住していない子Cが当該建物を相続した場合、相続開始前3年以内に本人C又はその妻(配偶者)が持ち家に居住していなければ、『家なき子』としてOKとなります。


1階と2階が区分所有(マンションみたいな)登記がされている場合。
 Cが2階を所有していたとすると、特例を適用できる親族に該当しなくなります。
よってCが底地をいくら相続しても駄目で、この場合、妻Bが1/2の底地を相続しても、半分しか小規模宅地特例にありつけないとなります。
  この場合、区分登記されていても父Aが上も下も建物を所有していれば良いのですから、もし2階をCさんが所有しているケースの対処方法としては、築年数によっては、Cの2階家屋評価額を見て父Aに逆贈与してしまい、更には1階と2階を合併して、区分所有をやめて、1戸の普通建物にしたらセーフでしょうね。
但しこれも、3年以上前にやっておかないと、Cは家なき子にはなれません。
面倒ですねぇ。
⇒ 《即日回答はなかなか難しいですから、本件の対処の具体的なお話しは、個別にやりましょう。》

【ニ】H26.1.1~ 老人ホーム、居住要件緩和
 老人ホームに入居したことにより、被相続人が居住しなくなった家屋の敷地について。
* 被相続人に介護が必要なため、入所した。
* 居住しなくなった家屋が貸し付けられたり、用途変更のないこと。
  かつては民主党がH22.4.1からH25.12.31迄、終身利用権を買った老人ホームは駄目だとか、要件を厳しくしすぎていましたが、今年から上の2つの要件のみで対象セーフです。終身利用権老健介護施設購入費が金1億円でも、実質、介護のためならOKかな?

【ホ】H27.1.1~
(イ)と(ロ)については、そのまま要件となります。
  改正法の時点では240㎡が330㎡に拡大されるのと、特定事業用地等宅地の400㎡と併用可=730㎡最大で適用できる家族もでてきます。
《ますます、個別でお話ししましょう。》

【へ】愛知・岐阜・三重の広い屋敷敷地の中に、母屋と離れがあり、
        父・母はA、息子達はB




★★ 次回以降 相続情報セミナー 開催のご案内 ★★

平成26年4月26日(土)名東区役所 2階講堂
12時半開場 14時開演   入場無料・予約不要・入退場自由
お席は200席。お待ちしております。
※当初4月5日の予定でしたが、諸事情により、26日に変更となりました。事前に5日とご案内したみなさま、すいません・・・

■ 相続に関しての講演(14時~16時)通算、第109回目となります!
■ 無料個別相談(13時より開催)12時半より先着順にて受付致します。
■ 駐車場はございません。公共機関をご利用ください。

    次回の相続情報セミナーは・・・・毎年恒例♪♪
     平成26年8月(中区役所)を予定しています!

名古屋市内、各区役所を会場としてお借りする場合、公共施設ですから、当然、利益目的でない行事である事を誓約します。壺や布団も売りませんし、書籍販売もございません。私ども『あいち』が、地元でこうして士業サービスで禄を喰むことができている報恩、還元のつもりにて、精一杯、相続情報をお伝えし、よろず相談コーナーで皆様の悩み解決の方向指示機となれるよう、努めるのみです。 どうぞ、お気軽にお立ち寄りください。

士業の2次会は、自費ですヨ

 最高裁は平成26年1月17日に高裁判決を認め、国側が地裁で経費否認した判断をもとに上申申し立てしたものを不受理としました。 難しい話は別の人に調べてもらうこととして、いわゆる士業といわれる弁護士、司法書士、税理士、弁理士、公認会計士、土地家屋調査士、行政書士、鑑定士等の役員の支出経費の内の飲み会がどこまで必要経費となったか、その判断基準を確認しましょう。 ⇒ 下の表でもわかるとおり、これは痛み分けです。


● 国(国税局)、地裁の考え方
 (士)事業所得の必要経費として控除される要件を「所得が生ずべき事業と直接関係し、且つ、当該業務の遂行上必要であること。」
● 高裁、最高裁の考え方
 「弁護士として行う事業所得を生ずべき業務の遂行上必要なものとして、表の左側○はOKとし、弁護士が弁護士として事業所得を生ずべき業務を行う為には、弁護士会や日弁連の会員でなければならず、弁護士会等の活動は、その役員等に選任された弁護士が現実に活動することによって成り立っている。そして弁護士会等は、会費を徴収すること等により、活動に要する支出をしているが、その全てを弁護士会等が支出するものではなく、一部は役員等に選任された個々の弁護士が自ら支出しているのが実情。
よって、弁護士が弁護士会等の役員等として活動に要した費用であっても、業務の遂行上必要な支出は、必要経費に該当する。」

尚、必要経費に算入することができる支出は、消費税等の額の計算上、課税仕入れに該当することをあわせて認めています。
1次会はちゃんと領収書をもらって、2次会はパァーっとあきらめて飲んで歌ってください♪
立候補の写真撮影料ですか・・・・運転免許証の更新の時の写真をそのまま演説する候補者の横に使っておけばいいですよね。それじゃ落選ですか(笑)


「永遠のゼロ」とバブル

日経(夕刊)H26.2.6(水)  みずほ総合研究所 高田 創氏の記事より

 百田尚樹(ひゃくたなおき)著、「永遠のゼロ」が450万部を超えて、正月映画として7週連続で観客動員数1位とか。百田さんがその後、都知事選の田母神(たもがみ)候補者の応援をしたことで、NHKの委員をどうのこうのと話題となり、中韓+米国の大統領がワアワアいっているこの頃です。
 私 伊藤直樹もこの文庫本を読了したその日の夕方、新年早々に名古屋の駅前のシネコンで映画に涙し、出演する現代の26歳と、戦時中に日本国土と家族・・・・妻・愛児を守ろうとして特攻を敢えてラストで選択した26歳の主人公と、ノンビリ2次会、飲み会に明け暮れている我が愚息26歳をかぶらせて(我が子に失礼!)、最近の若者はわかっていない!というオヤジを生きています。
 さて、語呂合わせの「永遠のゼロ」が気になりました。昨年12月、アメリカの中央銀行(FRB)が量的緩和の縮小をし、物価が2%になるまでは政策金利をゼロに近い水準に据え置きを継続しました。
 日本、欧米の物価水準はいずれも1%前後にとどまり、むしろ日本の昨年12月の消費者物価水準は1.3%にあって、欧米の目安より高いことが意外と知られていないのだそうです。
 これは、私がいう22年前の日本バブル崩壊ではなく、2007年以降、リーマンショック等の「100年に一度」の世界同時不況以来の傾向とのこと。
 日本はアベノミクスと黒田総裁のコンビで2%物価目標を掲げ、金融緩和を続けていますが、株価も、上がっては下がってきてしまう。よって、政策金利は限りなく「永遠のゼロ」を続けています。
緩和資金を企業や個人は慎重になって使用しない。仕方なく株式や不動産市場ばかりがフワッと押し上げられる。
バブル的な様相ではありますが、企業や個人投資家が前向きな投資に転じるまでのバブル高揚感が、まだないといいます。
「日本は過去20年、バブル的な高揚感がなさ過ぎたのではないか。自らが持っていない資金を信用として用いる欲求は人間の持つ本性のひとつであり、人類の経済発展はその信用によるものだった・・・・」
今年は「永遠のゼロ」の潮流にさめた目を持ちつつも、バブルの高揚感に浸ることも重要なことではないか。と、このエコノミストさんは締めくくっておられます。
【私見】
 企業や株、不動産のコロガシはいけませんが、でも実業として事業の投資に融資(=信用)をあてて、成功できるムードが、大手、中規模企業までは兎も角、ベンチャー・中小企業にやれと言われましても・・・・ねぇ。
 日本の今年、安倍さんはまだ永遠のゼロで当分いくんじゃないですか?

以上文責:伊藤直樹

不動産所有者さんのための
平成26年税制改正大綱(抜粋)

[1] 相続した土地を売った場合の所得税特例の縮小
 「相続税は相続のあと土地を売って払います。売った時の所得税はかからないから・・・」という不動産所有者さんはご注意です!
平成27年以降の相続開始分から増税になります。
 例えば、土地4,000万円で売却した場合、通常なら約800万円の譲渡所得税がかかります。この土地が相続で取得した土地で、その相続人は相続税5,000万円納付していたとします。(その相続人が取得した財産の内、取得土地全部の割合は8割、売却土地の割合は1割と仮定します)
   改正前は、譲渡所得税は・・・ゼロ
   改正後は、譲渡所得税は・・・700万円
       報道は少ないですが、大きな増税ですよね。
≪改正概略≫
 相続税を払って相続した土地を相続申告期限後3年以内に売却した場合は、支払った相続税を土地売却代金から差し引いて売却時の所得税を計算していいよ、という特例です。平成5年に拡大された差し引ける金額が、今回縮小されて平成4年以前に戻る案です。
 今までは、現金を含む全ての相続財産額のうち、売った土地を含む「相続した全ての土地の価額」との割合の分を差し引けたのですが、改正後は、「売った土地のみの価額」との割合になります。


[2] 不動産業の消費税増税
 8%・10%の話ではないです。
 倉庫・事務所・駐車場などの売上が1000万以上あって、既に消費税を納めてみえる地主さんは、ほとんどの方が選択している「簡易課税」の改正です。
 今までは、受け取った消費税の50%を納めれば良かったのですが、改正後は60%納めることになります。
  例えば、2,100万(うち100万消費税)収入で簡易課税の場合、50万円を納めれば良かったのですが、改正後は60万円に増税です。もし万が一、税率が10%になる平成27年10月以降に借主から消費税をあげてもらえてなければ、約114万円まで納税額が増えることになります。
個人の方は、平成28年分からの適用です。


[贈与した財産の名義変更]

 不動産の名義変更していますか?
 昨年末にご質問いただいた件です。
「平成25年中に土地を息子に贈与したいけど、登記は来年で良いですか?」
答えは「名義変更して下さい。平成25年中に法務局に登記しないと、よっぽどの理由がない限り、税務署から否認されますよ。」です。
 「民法上の贈与」とは、贈与した者と贈与される者の「意思」で贈与の時期が決まります。名義変更などの形式は問われないとも考えられます。

 そうすると悪いことを考える人もいるわけで、公証役場で確定日付だけとって、贈与登記をせずに、贈与税申告納税時効が過ぎてから登記をして税金を逃れようとする案件がありました。
そちらは裁判事例(最高裁平成11年6月決定)で名古屋の税務署が勝っています。相続税の基本通達1の3・1の4共-1で、「贈与の時期を判定する場合において、その贈与の時期が明確でないときは、特に反証のない限りその登記又は登録があった時に贈与があったものとして取り扱うものとする。」ともあります。
 株式の贈与で、登録手続きにタイムラグはあったとしても、きちんと名義変更手続きをして、はじめて税務上は贈与成立となると考えておいて下さい。
 では、相続の登記はどうかというと、上記は贈与の場合に限られているため、登記を要件とはしていません。ただし、相続の場合は、税務署だけが相手ではなく、金融機関に対して、もちろん他の相続人(その相続人が亡くなられた後の相続人)がいる場合は、きちんと名義変更しておかないと、トラブルの元になりかねないので、やっぱり名義は変えておきたいですね。

    

「生活費」「教育費」には贈与税がかからない?!
 大学に入るお孫さんの授業料・アパート代などを4年間分まとめて贈与しました。贈与税はかかるでしょうか??
 平成25年12月国税庁から「扶養義務者からの生活費・教育費の贈与のQ&A」が発表されました。そちらには、「その贈与を受けた財産が生活費又は教育費に充てられずに預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費又は教育費に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となります。」とあります。
 このQ&Aには、「結婚式・披露宴のお金やお祝い」「出産費用」「授業料以外の費用や入学お祝い」「子の住まいの家賃」についても載っています。
 全て総じて言えば、
 ①贈与者と受贈者との関係は、特に同居は要件としない。「扶養義務者(配偶者・直系血族・兄弟姉妹他)相互間」であれば生活費・教育費は非課税。
 ②「使っていない、預金などで残っている。」と贈与税の対象となる。
 との説明です。広義で読めば、使っていれば贈与税は非課税ということです。社会通念上認められる範囲であれば、ですが・・・・(苦笑)
 相続税の税務署の調査の内容は、ほとんどが現金預貯金です。
 家族名義の預金と贈与の話になります。
  誰のお金なのか?
  もらったのか? もらったのであれば意志はあるのか?
  預かっているだけなのか? 名義を借りているだけなのか?
などなど。。。自分のお金はどうやって貯めたのかを説明できるようにしましょう!
もらったのなら「もらった」と自信を持って言えるようにしましょう!!

以上文責:税理士 一杉顕法

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